老人性うつと認知症の違いを知る

高齢者のメンタルケア~老人性うつを知る~

認知症と間違われることが多い

症状が似ていて見極めが難しい老人性うつと認知症を見分ける方法とは

老人性うつと認知症は症状が似ている

老人性うつと認知症は症状が似ている

老人性うつの症状には高齢者特有の症状が含まれますが、認知症の症状との見分けがつきにくい点で介護者は注意が必要です。
うつ病は抑うつ状態が長く続くことで無気力状態に陥ってしまう病気ですが、認知症は記憶力や判断力が徐々に低下していく脳の病気です。「少し前までできていたことができない」「1日中ボーッとしている」などの様子が高齢者に見られると、認知症をまず疑いたくなるのが普通です。しかし、認知症を疑うような症状が高齢者に見られる場合には、老人性うつの可能性も考えて早めに対処していかなければなりません。認知症とうつ病では治療方法がそれぞれ異なるので、正しく見極めることができるよう2つの病気の違いについて理解しておきましょう。

認知症の症状とは

認知症の主な症状は記憶障害です。発症当初は少し忘れっぽくなる程度ですが、そこから徐々に記憶障害が悪化していきます。物忘れは誰にでもあることですが、認知症の物忘れは出来事そのものを完全に忘れてしまうという点で大きな違いがあります。普通の物忘れなら後で思い出すことができますが、認知症の場合は食事をしたことや薬を飲んだこと、誰かと会ったことなど、少し前に起きたことでも完全に忘れてしまいます。忘れたことに対して周囲から指摘されると、心当たりのないことを責め立てられたという戸惑いや不安、怒りを感じるようになります。盗まれていないものを盗まれたと思い込んだり、知らない人が家の中に侵入してきたという妄想を抱くこともあります。認知症の進行スピードには個人差がありますが、多くの場合本人が気づかないうちに数年かけてゆっくりと進行していきます。

老人性うつと認知症の見分け方

老人性うつと認知症を一般の人がすぐに見分けるのは困難です。併発している可能性もあるので、日常を観察しただけでどちらかを確定できるというものでもありません。大切なのは、老人性うつや認知症が疑われる症状に気づいたらすぐに病院を受診することです。検査方法は病院によって異なりますが、一般的には問診の後に血液検査や脳の画像検査を行います。問診では簡単な質問や計算問題に答えてもらうことによって認知機能の異常を確認します。血液検査や脳画像検査で、認知機能に影響を与える要素に異常がないかを確認します。いくつかの角度から検査した後、老人性うつなのか認知症なのか、あるいは併発しているのか診断されます。老人性うつと認知症を見分ける方法や対処法については、「老人性うつとは? 認知症との5つの違いと対処法」が参考になります。

老人性うつの知識を活かして働くために