介護の知識「老人性うつでも老人ホームに入居できるの?」

高齢者のメンタルケア~老人性うつを知る~

老人性うつでも老人ホームに入居できる?

老人性うつの高齢者を受け入れる介護施設と受け入れ困難な介護施設の違いとは

老人性うつの高齢者が入居できる介護施設を探す

老人性うつの高齢者が入居できる介護施設を探す

老人性うつについての正しい知識を持つことは、介護施設で働く上で大切です。老人性うつを発症した高齢者が介護施設に入居したい場合、どのような施設があるでしょうか。また、老人性うつの対応が困難な場合や状態が悪化した場合にはどのようにすればいいのでしょうか。

老人性うつへの対応が可能な介護施設とは

認知症対応が可能な介護施設は、老人性うつを受け入れている場合があります。老人性うつも認知症も精神科の領域で、症状や対処方法に類似点が多いからです。認知症患者の対応に慣れている介護施設であれば、老人性うつの高齢者にも適切に対応できるでしょう。老人性うつの利用者が気分の変調によって興奮したり落ち込んだりしても、認知症対応が日常の施設なら戸惑ったり慌てたりすることなく落ち着いた対応が可能です。認知症患者はあまり他人に関心を示さないため、老人性うつの人にとって居心地のいい場所となることが少なくありません。

介護施設における老人性うつへの対応が困難な場合

老人性うつの症状は幅広く、無気力で何もできないような症状もあれば、肩こりや頭痛のような身体的症状もあります。気分の変調はそこまで大きくないものの、集中力の欠如や倦怠感などの見えない不調に悩まされている場合もあります。
老人性うつや認知症の高齢者にとって深刻な問題となるのが食欲不振です。食欲不振の状態が続くと衰弱が激しくなり、心身の健康を大きく損ねてしまいます。介護施設でできるのは食事の介助のみなので、食事から栄養が摂取できるかどうかが入居の可否の分かれ目となることがあります。老人性うつの高齢者の日常生活をサポートすることは可能ですが、うつ病の治療ができるわけではないため、対応困難と判断される状態であれば入居を断られたり退去を勧められたりする場合があります。

老人性うつの状態が悪化したら

施設に入居しているときに老人性うつの症状が悪化したら、介護施設だけで対処せずすぐに病院を受診してもらいましょう。精神科の病は治療経過に波があり、日常生活に問題がなくても悪化することがあります。あまりにも症状がひどければ、3ヶ月から半年程度の入院治療が必要な状況かもしれません。入院ができたら悪化の原因について医師の見解を聞き、退院後の対応について検討します。退院後に同じ生活環境に戻ることでまた症状が悪化する可能性があるならば、別の施設への入居も視野に入れることになります。老人性うつの治療は長い道のりになることも多いので、悪化の原因となる要素を根気よく取り除きながら回復を目指していきます。

老人性うつの知識を活かして働くために